手法 | 即時性 | 観察部位 | 荷重・力 | 評価基準 | |
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全身用 | Posture targeting |
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OWAS |
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姿勢重量点 |
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上肢用 | VIRA |
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上肢点 |
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RULA |
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包括的評価 | AET |
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1. 背部 | 1) まっすぐ 2) 前または後ろに曲げる 3) ひねるまたは横に曲げる 4) ひねりかつ横に曲げる、または斜め前に曲げる |
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2. 上肢 | 1) 両腕とも肩より下 2) 片腕が肩の高さあるいはそれより上 3) 両腕が肩の高さあるいはそれより上 |
3. 下肢 | 1) すわる 2) 両脚をまっすぐにして立つ 3) 重心をかけている片脚をまっすぐにして立つ 4) 両膝を曲げて立つか中腰 5) 重心をかけている片脚を曲げて立つか中腰 6) 片方または両方の膝を床につける 7) 歩くまたは移動する |
4. 重さまたは力 | 1) 10kg以下(w≦10kg) 2) 10〜20kg(10<w≦20kg) 3) 20kgより大(w>20kg) |
姿勢の記録は、スナップリーディング法(観察間隔一定のワークサンプリング法)の要領で行う。すなわち、一定時間おきにその瞬間の姿勢を読み取り、姿勢コードで用紙に記録していく。文献では、測定間隔は30秒か60秒、一連続観察時間は20〜40分にして10分以上の休憩を入れるという方法が紹介されている。こういった記録条件は、対象とする作業の内容に応じて決める必要がある。
複数の工程よりなる作業について工程別評価や工程間比較をしたい場合には、姿勢コードとともに工程名を示す作業コードを同時に記録する。
姿勢分類についての補足解説
背 部 |
上 肢 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 下肢 |
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123 | 123 | 123 | 123 | 123 | 123 | 123 | 重さ | ||
1 | 1 | 111 | 111 | 111 | 222 | 222 | 111 | 111 |
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2 | 111 | 111 | 111 | 222 | 222 | 111 | 111 | ||
3 | 111 | 111 | 111 | 223 | 223 | 111 | 112 | ||
2 | 1 | 223 | 223 | 223 | 333 | 333 | 222 | 233 | |
2 | 223 | 223 | 233 | 344 | 344 | 334 | 234 | ||
3 | 334 | 223 | 333 | 344 | 444 | 444 | 234 | ||
3 | 1 | 111 | 111 | 112 | 333 | 444 | 111 | 111 | |
2 | 223 | 111 | 112 | 444 | 444 | 333 | 111 | ||
3 | 223 | 111 | 233 | 444 | 444 | 444 | 111 | ||
4 | 1 | 233 | 223 | 223 | 444 | 444 | 444 | 234 | |
2 | 334 | 234 | 334 | 444 | 444 | 444 | 234 | ||
3 | 444 | 234 | 334 | 444 | 444 | 444 | 234 | ||
AC判定表を利用することで以下のような評価ができる。図2はその例である。
1.問題姿勢のリストアップ(細線):表3を用いて各時刻の姿勢コードのACを求める。ACが3や4のデータをリストアップすることで、どの時刻の作業姿勢に問題があったかを調べることができる。作業改善に利用する場合は、ACが3や4の時刻の作業を表3を参考にしてより低いACの作業姿勢になるように改善する。
2.作業の全体的評価や作業間の比較(破線):表3を用いて各時刻の姿勢コードのACを求め、単純集計して各ACの割合を求める。このうちAC4あるいはAC3+AC4の割合は作業の全体的負担度を示す指標として利用できる。作業間でAC4あるいはAC3+AC4の割合を比較すると、どちらの姿勢負担が高いかを比較できる。作業改善の効果も、AC4あるいはAC3+AC4の割合がどれだけ低下したかで評価することができる。
3.背部・上肢・下肢・重さのどこに問題があるかの指摘(太線):姿勢コードを桁(項目)ごとに単純集計して各項目の各コードごとにその全観察回数に対する割合を求める。それを表4と比較してコードごとにACを求める。もしAC3やAC4に属するコードがあれば、その項目には問題があると判定できる。作業別に集計すると、どの作業はどの項目のどのコードによる負担が強いかを比較できる。改善に利用する場合は、割合が高くてACが高いコードを、割合が高くてもACが低いコードの姿勢に変換するように試みる。
図4.OWASによる評価