背景 | トヨタ自動車工業(株)初代社長豊田喜一郎の思想『必要なものを,必要なとき,必要なだけ』作る(人・機械・物の無駄の無い組み合わせと短いリードタイムで作ることにより原価を下げる製造技術)。:トヨタ自動車が第二次世界大戦後に在庫を抱え過ぎて倒産しかかった経験があると考えられる。この時、豊田喜一郎氏は社長を辞任し、その後しばらくして他界した。この経験によって、最も最後の後工程を消費者と考え、売れた分だけ生産するというシステムを作り上げた。 | Toyota Production System
(TPS) Toyotism ⇔ Fordism Oonoism *大野耐一『トヨタ生産方式』1978年 SCM = supply chain management |
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ビジョン、方針 | 企業が存続する為には儲けることが重要 | |||
目標 Plan | 生産性の向上 | 徹底的な、無駄の排除による、原価低減 | ||
手段 Do | トヨタ生産方式 | @ジャスト・イン・タイム(Just in Time
:JIT): 生産の平準化(productin leveling、生産量・生産方法の平均化)が前提要件で、下請には容易ではない。 「無駄の解明」「必要なものを、必要な時に、必要なだけ作る」。コスト削減、ムダ排除のシステム化:ムダな在庫を持たない、ムダな経費をかけない、ムダな設備を持たないのである。キャッシュフロー経営やサプライ・チェーン・マネジメント(SCM)に似た考え方 |
工程の流れ化: 工程内、工程間のモノの停滞を無くし、1個流し生産にする |
1個流し: 1個ずつ流して、細くて速い流として、どこで流が停滞するかボトルネックを発見する |
同期化: 各工程の生産能力を一定にして、中間在庫を無くす |
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多工程持ち・多能工化: 1人で複数の工程・機械を管理する。 多能工・一人生産(マラソン)、分業(駅伝)、 |
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工程順の設備配置: レイアウト layout 改善、U字ライン |
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物の流を整流化できる設備 | ||||
ロット生産工程における小ロット化: 中間在庫の減少(段取り時間の短縮が要件:段替え1/5化) |
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必要数でタクトを決定: 1日の必要生産数からタクトタイムを算出 |
標準作業:標準作業票: タクトタイム内に製造できるように、ベテランの作業を標準化する。 標準作業(標準作業組合せ票+標準作業票、標準作業=サイクルタイム+作業順序+仕掛品の標準手持ち) 作業標準作成過程: 1.実際の作業を標準作業として標準書を作成する。 2.この標準作業に基づいて実際の作業を行う。 3.この標準作業でやりにくい点や不具合を洗い出し、標準作業を訂正する。 4.1〜3の過程を繰り返して、標準作業を改善作成する。 |
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少人化: 自然数単位で作業者数削減 |
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後工程引取り: 後工程が必要なものを、必要な時に、必要なだけ |
カンバン: 生産・運搬の指示、生産管理の道具、工程の作業改善の道具、 生産管理板: 最大・最小在庫量の表示による、生産調整、営業の円滑化 |
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運搬: 物と情報を合わせて複数回運搬 |
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A自働化(automation with a human
touch): 「異常の目で見える化」 品質管理:「より良い品を作る」。「異常が発生したら機械がただちに停止して、不良品を造らない」という考え方(機械設備に人の知恵を付加して、人が管理するという意味で、トヨタではニンベンの付いた「自働化」といいます) |
品質の作り込み: 品質を工程内で作り込み、自分の作業する範囲では自分で品質を担保する |
自動停止・人による停止: 不良品を後工程に送らない |
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異常がわかる(見える化): アンドン(行灯、信号機) |
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省人化: 工数を低減し、機械の監視人を無くする |
人の仕事と機械の仕事の分離 | |||
異常の再発防止: 異常発生時、現地現物で、なぜなぜ5回で原因究明 |
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結果 Check | 改善のニーズの発見 | |||
改善 Act | 人材(人財)の育成と改善による原価低減による企業体質の強化 | |||
文献 | 大野耐一(たいいち、TPS生みの親)、トヨタ生産方式、ダイヤモンド社、1978. | |||
石井正光(まさみつ)、トヨタの元工場責任者が教える入門トヨタ生産方式、中経出版、2005. | ||||