熱中症の予防の指標

 

WBGT(湿球黒球温度Wet Bulb Globe Temperature

 

普通に使われている温度計は乾球温度計といわれるもので、この通常の乾球温度計の他に、湿度を反映した湿球温度計と、熱の幅射を反映した黒球温度計とにより、太陽輻射熱時WBGT0.7×自然湿球温度十0.2×黒球温度十0.1×乾球温度、太陽輻射熱無し時WBGT=0.7×自然湿球温度十0.3×黒球温度となる(自然:通風でないこと)。WBGT計(京都電子工業製)は持ち運びの容易なコンパクトな装置である。

元は、アメリカ軍が暑い中での軍事訓練で熱射病患者を出さないことを目的として考案されたもの。

 

 

 

労働現場の許容基準

 

(日本産業衛生学会の高温の許容基準、1982)

 

許容温度条件

作業強度

WBGT

CET修正実効温度=0.786xWBGT+6

極軽作業RMR1

32.5

31.6

軽作業RMR2

30.5

30

中等度作業 RMR3

29

28.8

中等度作業 RMR4

27.5

27.6

重作業RMR5

26.5

27

 

 

ACGIHAmerican Conference of Governmental Industrial Hygienists、米国労働衛生専門家会議)高温のTLV(Threshold Limit Value)2005年)

 

作業強度

 

 

 

 

 

 

 

軽度

 

中等度

 

強度

 

非常に強度

作業休憩の配分(毎時)

非順応

順応

非順応

順応

非順応

順応

非順応

順応

100%作業

27.5

29.5

25

27.5

22.5

26

 

 

75%作業:25%休憩

29

30.5

26.5

28.5

24.5

27.5

 

 

50%作業:50%休憩

30

31.5

28

29.5

26.5

28.5

25

27.5

25%作業:75%休憩

31

32.5

29

31

28

30

26.5

29.5

 

 

 

 

 

運動時(マラソン)

WBGT℃

湿球温℃

乾球温℃

運動

 

 

 

 

安全

適宜水分補給

21

18

24

 

 

 

 

 

注意

積極的に水分補給

25

21

28

 

 

 

 

 

警戒

30分おきに積極的に休憩

28

24

31

 

 

 

 

 

厳重警戒

激しい運動は中止

31

27

35

 

 

 

 

 

中止

運動は原則中止