第2章:あなたの入っている企業年金は何でしょう?
〜自分が入っている企業年金を知る方法〜
1. 厚生年金基金の場合
2. 税制適格退職年金の場合
3. 確定拠出年金の場合
4. 確定給付企業年金の場合
5. 中小企業退職金共済制度/特定退職金共済制度の場合
 
 
あなたは自分がどんな企業年金に入っているか、ご存知ですか。自分の会社にはどんな企業年金があるのか、確認してみましょう。
この章では、自分がどのタイプの企業年金に加入しているのか知る方法を説明します。
1.厚生年金基金の場合
給与明細を見る(社員負担分がある場合)
図表2:給与明細
給与明細の「控除」のところに「基金掛金」「厚生年金基金掛金・保険料」といった項目があり、そこに金額が入っていれば、厚生年金基金に加入していると思って間違いないでしょう。ただし、「基金掛金」という言葉は、確定給付企業年金の基金型でも使いますので、注意が必要です。
厚生年金基金だよりが届く
ほとんどの厚生年金基金は、基金の状況などを報告するために「基金だより」を発行しています。その「基金だより」が届くのであれば、厚生年金基金に加入していると考えていいでしょう。
ただし、基金だよりが届いても、あなたがアルバイトやパートの場合には加入しているとは限らないので、確認が必要です。
健康保険組合に加入している
健康保険組合に加入していれば、厚生年金基金にも加入している場合が多いようです。(健康保険組合には加入して厚生年金基金には加入しない場合もあります。)そこで、自分の会社が健康保険組合に加入しているか確認します。自分の保険証の「保険者」の欄を見て下さい。
図表3:組合保険証
図表4:保険証
ここに「○○健康保険組合」と書いてあれば健康保険組合に加入しており、「○○社会保険事務所」と書いてあれば加入していません。自分の会社が健康保険組合に加入していれば、厚生年金基金に加入している可能性が高いので、会社の人事あるいは総務の担当者に確認してみましょう。
会社の就業規則、退職金規程等で確認する
会社規程のどこに厚生年金基金に加入していることが記載されているかは、会社によって違います。一般的には、就業規則の福利厚生、あるいは退職金に関する項目に記載されている場合が多いようです。
会社の人事・総務の担当者へ確認する
2.税制適格退職年金の場合
会社の退職金規定・退職年金規定を見る
会社の退職金・退職年金規定に「制度の実施」などの条で、「○○会社と締結した適格退職年金契約により実施する」といった文章やこれに似た記載がある場合は、税制適格退職年金に加入しています。
給与明細を見る(社員負担分がある場合)
給与明細の「控除」のところに「退職掛け金」といった項目があり、そこに金額が入っている場合も、税制適格退職年金の可能性が高いです。ただし、「退職掛け金」という言葉は、税制適格退職年金制度以外の退職金制度でも使いますので、注意が必要です。
会社の人事・総務担当者へ確認する
3.確定拠出年金の場合
自分で運用商品を選ばなければならない確定拠出年金。自分が加入しているかどうかが分からない、ということはないですよね?
4.確定給付企業年金(規約型/基金型)の場合
確定給付企業年金は平成14年4月から始まりました。企業がこの制度を導入するには社員の同意が必要です。この制度が新たに導入される時に会社にいた人は、確定給付企業年金に加入していることが分かると思いますが、入社したときに既にこの制度がある場合の確認方法は、次のとおりです。
   1. 入社の説明・入社案内で確認する
   2. 就業規則、退職金規定等で確認する
   3. 給与明細を見る(社員負担分がある場合)
   4. 会社の人事・総務の担当者へ確認する
5.中小企業退職金共済制度/特定退職金共済制度の場合
会社の就業規則・退職金規定等で確認する
会社の就業規則や退職金規定などに「中小企業退職金制度(特定退職金共済制度)による・・・」といった記載がある場合は、これらの年金制度に加入しています。
会社の人事・総務担当者へ確認する
この他、これらの制度の加入申込書には社員本人の捺印か署名が必要ですので、申込書に捺印や署名をしたかどうかを思い出してみる、という方法もあります。
 中小企業退職金共済制度は、就業規則に記載されていない場合もありますので、退職した時に中小企業退職金制度の「手帳」が手渡され、はじめて、自分の会社が中小企業退職金制度(特定退職金制度)に加入していたことが分かる場合もあります。