第4章 それぞれの企業年金を詳しく見てみましょう
1. 厚生年金基金
2. 税制適格退職年金
3. 確定拠出年金
4. 確定給付企業年金(規約型/基金型)
5. 中小企業退職金共済制度(特定退職金共済制度)
それでは、自分の加入している企業年金について、もっと詳しく知りたい人のために、実践的に説明しましょう。なお、各企業年金の内容を、一覧表にまとめてみましたので参考にして下さい。
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1.厚生年金基金 |
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厚生年金基金は昭和41年に始まった、企業年金の代表的な制度です。厚生年金基金制度は、社員の老後の生活保障のために、公的な年金制度である厚生年金にプラスして支給する企業年金制度としてスタートしました。 |
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しかし、現在の長引く不況による株価低迷の影響で年金資産の運用状況が悪化し、本来予定していた運用利益を得られず、当初の約束分を給付できない基金や、掛け金の値上げをする基金がたくさん出ています。こうした状況から、給付の削減や「代行部分」(厚生年金基金のしくみ)の返上を行う基金が次々現れ、基金そのものを解散するケースも増えています。 |
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厚生年金基金制度は、「厚生年金基金」という法人を別に設立し、運営します。そのしくみは、次の図にあるとおり、本来、国が運営する厚生年金保険の一部分を国に代わって行う「代行部分」と、厚生年金基金の「独自部分」とに、大きく分かれます。 |
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「代行部分」では、国に代わって厚生年金保険の掛け金を集めたり、掛け金に見合った額を給付しています。一方、「独自部分」は、それぞれの「規約」(基金で作ったルール)に基づいて掛け金も給付も決めますので、自分が加入している基金の規約を知ることが大切です。 |
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図表5:基金加入有無の比較 |
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【厚生年金基金の種類】 |
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厚生年金基金にもいろいろな種類があります。設立主体によって、次の3つに分かれます。 |
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(例)○○(会社名)厚生年金基金 |
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連合型:主力企業を中心に、関連会社(グループ会社)が集まり、共同で基金を設立して運営 |
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(例)○○(会社名)グループ厚生年金基金 |
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総合型:同業であることなど、一定のルールの下に会社が集まり、共同で基金を設立して運営 |
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(例)○○業(業種名)厚生年金基金 |
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それでは、あなたはいくらもらえるのでしょうか。あなたの受け取る金額は、退職時、あるいは年金がもらえる時期になって確定し、「加入している基金」、「加入期間」、「加入期間中の給与」によって変わってきます。 |
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基金の種類による特徴として、一般的に、単独型基金の給付は退職金的な色彩が強く、年金額が高い傾向にあります。一方、総合型基金はさまざまな会社が集まって作られており、受け取る年金額は少ない傾向にあります。 |
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■年金見込額を知りたい場合(厚生年金基金連合会のホームページへリンク) |
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なお、基金に加入していた人の平均的な年金額は次のとおり。 |
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■年金給付の状況(厚生年金基金連合会のホームページへリンク) |
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■一時金給付状況(厚生年金基金連合会のホームページへリンク) |
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厚生年金基金の受け取り方法とその手続きは、退職パターンごとに次のようになります。 |
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図表6:厚生年金基金の受け取り方法とその手続き |
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<定年退職> |
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加入していた基金に連絡して、手続き方法を確認します。基金の指示に従って「裁定請求書」などの書類を作り、年金を請求します。その際、厚生年金基金の証書が必要になりますので、年金手帳にホチキスで止めるなどして、きちんと保管しておいて下さい。 |
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<中途退職> |
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中途脱退者となる要件は、加入している(していた)基金の規約によって異なりますので、次のホームページで確認して下さい。 |
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■中途脱退者の要件(厚生年金基金連合会のホームページへリンク) |
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■中途脱退者の通算制度(厚生年金基金連合会のホームページへリンク) |
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■各種手続き(厚生年金基金連合会のホームページへリンク) |
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○短期勤続後の退職(一般的に10〜15年未満での退職)の場合 |
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将来、年金を受け取るためには、資金を厚生年金基金連合会へ移します。厚生年金を受け取れる時期になったら、厚生年金基金連合会へ連絡し、「年金裁定書」に必要事項を記載して連合会へ提出し、年金を受け取ります。 |
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退職(基金脱退)から半年ほどで、厚生年金基金連合会へ年金資金が移されたことを証明する書類、「年金支給義務承継通知書」が郵送されてきます。年金手帳とともに大切に保管しておいてください。 |
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■年金の引継ぎのお知らせ(年金支給義務承継通知書)の内容(厚生年金基金連合会のホームページへリンク) |
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退職する時に、加入していた基金から受け取った「脱退一時金支給請求書」に必要事項を記入し、基金へ提出します。 |
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○中長期勤続後の退職(一般的に10〜15年以上での退職)の場合 |
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年金を受け取る権利がある場合(基金によって違いますが、一般的には10〜15年以上)は、厚生年金を受け取れる時期になったら、加入していた基金へ連絡し、「年金裁定書」に必要事項を記載して提出し、年金を受け取ります。 |
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将来受け取れる年金分の資金を、退職する時あるいは年金の支給開始時期などに、加入していた基金へ連絡して手続きすれば、一時金で受け取ることもできます。基金の規約を確認して下さい。 |
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転職した場合、在職中に加入していた厚生年金基金の権利はどうなるのでしょうか。 |
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在職中に加入していた厚生年金基金の権利は守られます。退職すると、基金の資金の中から、あなたが基金に加入していた期間に相当する分のお金がいくらなのかが計算されます。その計算で出たお金があなたのもの(権利)です。また、転職した先の会社で厚生年金基金に加入すれば、新しい基金での権利も出てきます。 |
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退職する場合も、次の会社に転職する場合も、厚生年金基金の加入に関する手続きは会社がやってくれます。転職する場合は、あなたの年金手帳を新しい会社へ提出するだけです。しかし、退職した時に給付を受ける場合は、厚生年金基金の加入期間によって、受け取り方法や手続きが違ってきますので、注意が必要です。 |
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転職を繰り返した場合は、それぞれの厚生年金基金証書をホチキスで年金手帳に止めるなどして、きちんと保管しておくことが大切です。また、自分の年金資金を厚生年金基金連合会へ移している場合は、「年金支給義務承継通知」も大切に保管しておいて下さい。 |
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