研削砥石 | 加工物を研磨したり切断したりする機械工具 |
三要素 | 1.と粒(グレーン)=加工物を削る刃物に相当、2.結合剤(ボンド)=刃先を保持するホルダー、3.気孔(ボアー)=削り屑を逃がす隙間。 |
特徴 | 1.と粒は加工物より硬い、2.使用中に刃先の減ったと粒は絶えず新しい刃を出すが、駄目になると脱落して次の新しいと粒が出る(自生発刃または自生作用)、3.刃先が無数にあり、切削速度が速いので切り込みが小さい割には高能率で仕上面も綺麗である、4.加工中の熱は大部分加工物に吸収される |
形状 | 平形・カップ形・オフセット形・切断形 |
寸法 | 外径X厚さX孔径 |
と粒 | 刃物の役割。アルミナ質系と炭化けい素質系のものがあり、それぞれ硬さや脆さに違いがあるので、加工物の材質や研削条件に依り適したものを選んで使用 |
アルミナ質系 | アルミナ質系のと粒にはA(アランダム)、WA(ホワイトアランダム)、AZ(アルミナジルコニア)等があり、一般鋼材やステンレス鋼材等、鉄系金属類の研削に適します。軟、高塵性 |
炭化けい素質系 | 炭化けい素質系のと粒にはC(カーボランダム)、GC(グリーンカーボランダム)等があり、これらはアルミナ質系のものより硬いので、超硬合金やガラス・石材等の研削に使用。硬、低塵性 |
粒度 | と粒の大きさを「粒度」といって、メッシュと呼ばれる数値で表し、その数値が小さいほど粒は大きく、逆に数値が大きくなると粒は細かくなる。従って、加工物に求められる仕上精度によって、最適な粒度のといしを選んで使用します。 |
組織、と粒率 | と粒/砥石容積比。0(62%)〜14(34%)。 |
結合度 | 砥石全体の硬さ。「結合度」はアルファベットで表され、Aに近いほど軟らかく逆にZに近いほど硬い砥石。結合剤の量に比例。一般には、硬い加工物を研削する場合には軟らかい砥石を使用します。また、軟らかい加工物を研削する場合には硬いといしを使用します。 |
結合剤 | と剤を結び付けているもの:ビトリファイド ― 機械研削。レジノイド ― 自由研削、粗研削。レジノイド補強 ― 切断といし、オフセット研削といし。無機質結合剤 ビトリファイド、シリケート、マグネシア。有機質結合剤 レジノイド、レジノイド補強、ゴム、シェラック。 |
研削盤(グラインダ) | 1.自由研削用(グラインダを手に持って加工物に押し当てて研削するか、あるいは加工物を手に持ってグラインダに押し当てて研削する作業)、2.機械研削用(機械に固定した加工物を機械が自動的に研削作業を行う) |
自由研削用 | 使用動力:電動グラインダ、エアーグラインダ |
電動グラインダ使用上の注意 | ・電圧、周波数の確認 ・使用前にスイッチが切ってあることを確認 ・研削といしの回転方向の確認 ・爆発性のガスのあるところでは使用しない ・最高使用周速度を超えないようにする ・研削といしと加工面との角度は15度〜30度くらいにする ・新しい研削といしの場合は手前に引くように使用する |
空気グラインダ使用上の注意 | ・空気圧は0.6Mpa(6Kg/cm2)に保つ ・圧力計を近くに置く ・空気中水分を除去する設備が必要 |
機械研削用 | * |
卓上グラインダ使用上の注意 | ・ワークレスト(受け台)は研削といしの中心の高さにする ・ワークレストと研削といしとのすきま1〜3mmにする ・調整片と研削といしのすきま3〜10mmにする |
切断機使用上の注意 | ・側面からの力に弱い ・といしを加工物に当てる時はゆっくり行う ・加工物を確実に固定する |
フランジ | 研削砥石をグラインダに取り付ける取付具。固定側フランジ=砥石軸に固定される側、移動側フランジ=固定側の反対側。一般にはストレートフランジが、また、オフセット形砥石にはオフセット形砥石専用のフランジが使用される。フランジ径は研削砥石の1/3以上とし、固定側と移動側のフランジの直径は同じにする。 |
最高使用周速度、安全度 | 研削砥石はグラインダに取り付けて高速度で回転させて使用し、この際、砥石が遠心力等で破壊することなく安全に使用できる最高の周速度。m/s(毎秒何メートル)または、m/min(毎分何メートル)の単位で表示。例:φ150mmの場合、最高使用周速度=2000m/minまたは4244rpm。最高使用周速度を超えて使用は禁忌(時速換算で200kmを超えるような高速度で使用する為、ひとたび取扱を誤ると破壊したり重大な事故を招く恐れがあるので) |
回転試験周速度、破壊回転周速度 | 最高使用周速度 ― 作業者が使用してよい範囲。 回転試験周速度 ― メーカーが製品に対して行う回転試験。 破壊回転周速度 ― 無負荷で回転し、といしが破壊する周速度。周速度//細かい粒度、高結合度、小穴径。 |
内部応力 | 速度の二乗に比例 |
研削状態 | 正常形
― 理想的な状態 目こぼれ形 ― 研削といしの減りが早すぎて削れない状態 目づまり形 ― 切屑が気孔中に詰まって削れない状態 目つぶれ形 ― と粒が磨耗し丸くなって削れない状態 |
研削といしの取り替えまたは取り替え時の試運転の業務 | 労働省令で「危険または有害な業務」として指定され、この業務を行えるのは、一般の安全教育ばかりではなく、当該業務に関する特別教育を受講し、十分な知識と技能を持った者、いわゆる有資格者でなければ行ってはいけないとされている。 |
事故防止 | 1.知識と技能、2.使用するグラインダに適した砥石を選定し、取り付ける前に外観検査を励行する、3.正規のフランジを使用して正しく取り付ける。4.指定された保護具を正しく着用する、4.グラインダには安全カバーを取り付ける、5.決められた手順で試運転を行い異常の有無を確認する、@スイッチを入れて1分間以上の試運転をする、A新しいといしに取り替えた場合は3分間以上の試運転をする、6.砥石に表示されている最高使用周速度以下で使用する、7.砥石の決められた使用面以外は使用しない(平形といしは側面を使用してはならない⇒横の力に弱い為、といしが割れる危険がある)。 |
使用限界 | 平形砥石:フランジから出ている1/10(ほぼ、ラベルの貼ってある位置)。凹み形砥石:凹みを除いた1/5。 |
ドレッシング | 変形磨耗の修正、目詰まり除去のための作業。 (1)角といし(ブリックストーン) ― 少量の時使用する (2)星型ドレッサー(ハンチントン型ドレッサー) ― 多量の時や硬いといしの時に使用する |