育児時間と短時間勤務:

行政解釈は「育児時間は一歳未満の子を育てている女子労働者が請求した場合、授乳に要する時間を通常の休憩時間とは別に確保すること等のために設けられたものであり、育児が介護休業法の短時間勤務の制度とは、その趣旨、目的が異なることから、それぞれ別に措置すべし」(平3.12.20婦発281号)としています。

なお、育児介護休業法については、男子労働者から請求があった場合は与えなければ違法となります。これに対し、労働基準法の育児時間は女子のみです。

 

育児時間:

労働基準法第67条「生後満1年に達しない生児を育てる女性は、第34条の休憩時間のほか、1日2回各々少なくとも30分、その生児を育てるための時間を請求することができる。使用者は、前項の育児時間中は、その女性を使用してはならない」とありますし、また、これに違反する事業主には罰則が適用されることになります(労働基準法第119条第1項)。

また、「この育児時間をどの時間に請求するかは原則として本人の自由であり、始業時間のすぐ後、終業時間の直前に請求してきた場合であっても使用者としては託児施設の有無を問わず、これを拒否できない」こととなっています(昭33・6・25 基収第4317号)。

なお、この育児時間における「1日2回各々少なくとも30分」は、8時間労働を想定して設定されているもので、労働時間が1日4時間を下回るような場合には、1日に1回の育児時間で足りるとされています(昭36・1・9 基収第8996号)。

また、「往復時間を含み30分の育児時間が与えられていれば違法ではないが、往復時間を除き実質的な育児時間が与えられることが望ましい(昭25・7・22 基収第2314号)」ともされています。

なお、「この時間を有給とするか無給とするかについては、当事者間で決定していく(昭25・7・22 基収第2314号)」ということにもなっています。