年間の安全衛生管理計画書を作成し労働安全衛生マネジメントシステムの導入に努めよう!

昨年以降、日本を代表する大規模事業場で爆発・火災などの重大災害が頻発し、製造現場における安全管理の懸念が高まり、厚生労働省及び長野労働局では、長野県内の大規模事業場に対し、安全管理強化の緊急対策を実施してきたところです。
その結果、労働安全衛生マネジメントシステムを推進している事業場は、災害発生率が低い事実が判明するなど、その重要性が益々高まっております。
労働災害を防止するためには、職場の災害要因を見つけ出し、その背景を考えながら、一つずつ確実につぶしていく地道な活動が必要です。この活動は、自主的安全衛生管理を実行し、労働安全衛生マネジメントシステムの取組みに向けて確実に推進することが大切です。
その第一歩は、安全衛生管理の年間計画の作成から、始まります。
以下にその作成のポイントを掲載しますので積極的な取組みに努めましょう。
安全衛生管理計画とは、仕事の管理で使われるP(計画)D(実行)C(評価)A(改善)を実行するための計画です。いわゆる労働安全衛生マネジメントシステムの基本です。
1 経営トップが方針を決める
経営トップが労働災害防止の基本方針を決め、表明して下さい。
2、具体的作成の手順
@問題点の把握と改善項目を決定する
過去の災害発生状況や安全衛生パトロール、点検でどのようなことが指摘されていたか調べる。
日常の仕事の中で「危険と感じている作業は何か」をヒントに危険有害要因の洗い出しをして下さい。
また、現状把握に際しては危険(リスク)の大きさ・発生頻度の二点を重要視して下さい。さらに、前年計画を達成できなかった原因・問題点の把握に努めましょう。
A具体的実施項目の策定
実現性のある実施項目を決めることが大切です。また、建設業等では、工事の進捗状況に応じて、「いつ、誰が、何をするか」具体的実施事項を決めておくこと。
なお、計画に盛り込む主な事項は下の表のとおりです。
B実施状況をチェクする
安全衛生管理計画の実施状況を目標、計画事項とつき合わせ、チェックすることも重要です。
3、労働安全衛生マネジメントシステムの導入に向けて!
@労働安全衛生マネジメントシステムは難しいか?
全く新しい安全管理の手法ではなく、まして突然出現したものでもありません。
既に、多くの事業場において実行されている安全管理を整理し、「危険性の洗い出しと危険性の大きさ・頻度を考慮し、災害を未然に防止すること」、「事業場の安全活動が十分かを確認する」など、段階的に進め、地道に積み上げてきた安全管理活動の延長線上にあるものとお考え下さい。
A計画を確実に実行する
危険は待ってくれません。一瞬一瞬の安全確保が求められます。これらに的確に対応するために、KYT活動が各現場で実行され、効果を発揮していることはご承知のとおりです。
このほか、日常作業の中で日々の活動を実行することで目標達成ができます
4 計画書の様式
任意のものでもかまいませんが、長野労働局労働基準部安全衛生課及び各労働基準監督署の窓口に用紙が用意してありますのでご利用下さい。
なお、ホームページからも入手は次の手順で行って下さい。
様式1−1 1−2 製造業等を主体とした様式です。 記入例1 記入例2
様式2−1 2−2 建設業を主体とした様式です。 記入例1 記入例2
安全衛生管理計画

参 考
1、各種の安全衛生に関する情報の収集及び労働安全衛生マネジメントシステム(略称 OSHMS)の概要などについては、下記の安全衛生情報センターのホームページの活用する方法もあります。
2、危険予知訓練教育は、毎年「長野県ゼロ災研究会」(長野労働基準協会連合会事務局)で実施しています。計画の行事に取り入れることなど工夫して下さい。
安全衛生情報センター


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