サンドウイッチ症候群
仕事は楽しい方がいいと言いますが、現実的にはとてもストレスのたまるものであり、仕事とストレスは分かちがたいものであると言えるでしょう。仕事に関連したストレス症候群には多くのものがありますが、特に中年期の人がその影響を大きく受けるようです。そのような中年期になりやすいストレス症候群の1つにサンドウィッチ症候群というものがあります。
サンドウィッチ症候群とは、中間管理職にある人が上司と部下の板ばさみ状態にあるため身動きができなくなってしまい、心身に不調をきたすというものです。管理職特有の症候群であるため管理職症候群、マネージャー・シンドロームなどとも呼ばれています。
サンドウィッチ症候群では、まず上司からの命令によるストレスがあります。管理職には、その部署をまとめ成果をあげることが求めれ、ノルマが課せられます。特に、近年の不況のため成果をあげられないとリストラの対象とされてしまうこともあり、その不安と相まって悩みが大きくなることもあります。しかし、上司の要求を「できない」と言って断ることもできないでしょう。
次に、部下への対応がストレスとなります。上司には成果をあげるよう言われているので、部下にそれを伝えたり動かしたりするが思うようにいかない、部下から不平不満を言われる、しかし部下の言い分もよく分かる、時には部下を叱責するなど嫌な役回りもしなくてはならないというように様々なストレスを受けます。
また、管理職につくと急激に仕事の量が増えたり、責任が重くなるなど身体的にも精神的にも疲れるポジションに立つことになります。やりたくない仕事でも立場上やらざるを得ないことが多くなってきます。最近では若い人でも実力があれば昇進して管理職となる人もいますが、管理職の多くが中年期にあたる人です。そのころには、徐々に体力の衰えが目立ち始めるので、このような身体的・精神的ストレスに対抗する力がだんだん弱まっていきます。しかも、中年期になると子どもが思春期となり扱いが難しい、受験を控えている、家に居場所がない、親の介護などといった家庭の問題を持ち合わせていることもあり、上司・部下・家庭からのトリプルのストレスを感じることにもなってしまいます。こんな人は要注意!
なんでも自分一人で背負い込み一人で解決しようとする、相談できる人がいないもしくは相談しようとしない、小心、誠実、面倒見がよい人などがなりやすいとされています。どんな症状?
身動きのできない状況になるとだんだんと疲れがたまって、慢性疲労状態、高血圧、動悸、めまい、不眠、抑うつ状態、自律神経失調、消化器官系の疾患などが現れます。
予防と対策
無理なことは無理と言える環境を作ることが肝心です。なんでも率直に話し合える上司部下関係を築き、お互いに主張しあえるようにすることが大切です。また、休日には仕事を離れて過ごし、趣味などで仕事を忘れリフレッシュするのもよいでしょう。そして、家庭が安らぎの場であるようにすることも必要です。